日本のシカ問題解説してみた。
こんにちは。現役大学生兼新米猟師のエルクです。
突然ですが皆さんは日本で今シカがどうなっているかご存知でしょうか?
ジビエが話題になったり、野生動物が減ってるとか田畑を荒らして大変とかいろいろあると思います。
筆者は猟師としてシカと関わろうとしたり、シカの問題に取り組んでいる野生動物管理の専門家の卵だったり、将来はアラスカのシカに会いたいと夢想したり、シカを毎日家で調理したり、、、とシカ尽くしの生活を送っているので今回は、日本のシカの現状について解説していこうかなあと。
何回かに分けます。今日はかるーい現状です。
ぜひお付き合いください
1.まずシカって増えてんの、減ってんの?
増えてます。ゴリゴリ増えてます。あかんぐらい増えてます。
1990年ごろから増えていますがこのころは推定30万頭ぐらい。
今はなんと推定350万頭ぐらい(環境省調べ)
10倍以上に増えております。
2.増えるとどうやばいの?その1
まず森林の若い草木を食べ荒らします。
特にひどい近畿地方では森の下草がないところがほとんど。
下草は次世代の森を担っちゃう立場なのでシカが食い荒らすと森の木はじじいとおっさんばっかりみたいな感じになります。
森林が長期的に維持できなくなります。
3.増えるとどうやばいの?その2
そして森林の下草を食べつくすと餌がなくなり、困ったシカは町に降りていきます。
そんでもって田畑を荒らします。
このシカの農作地荒らしを獣害と呼びます。
獣害被害額は大体年間200億円。
ぱっと聞いてもイメージつきにくいかもしれませんが、2018年問題になった台風21号の農業被害額は約2億円。
変な計算ですが台風21号が1年に100回、つまり4日に一回来るようなもんです。
これでやばさが伝わればいいのですが、、、、
4.ハンター問題
「じゃあ狩りして減らせばいいじゃん」とよく言われますがハンターは1970年代には53万人ほどいましたが今は20万人ほど。
更にかなりの高齢化&担い手不足であります。
ついでに20万人いうてますけどそこそこの数がペーパーハンター(狩猟免許持ってるだけ)です。
ついでに狩猟免許って3種類ございまして(銃、罠、網)、銃と罠を持っているハンターが1人いると、2人と数えられてしまいます。
圧倒的人手不足です。(まあ大体日本はどこでもそうでしょうが、、、)
いかがでしょうか。なかなかの現状のやばさを共有できたら幸いです。
そもそもなんで増えとんねん!!??ってのは次回やろかなと。
僕が思う一番の問題は
農家「悪い獣をやっつけろ!」
都市住民「シカってかわいいよね」
研究者「やばいぞやばいぞ」
猟師「行政や農家は狩れってうるせーけどサポート薄いし、過激な愛護団体は邪魔してくるし、、、。ホンマなんやねん、、」
ってな感じで全体のコンセンサスがなんもないってこと。
当ブログでは生物学的な知見のアウトプットを主としているので、専門家の卵としてこの辺の問題も少しづつ扱っていこかなーと。
皆様が少しでも野生動物の関わり方について考えてくれたらこれ幸いです。
またまたあげていくんで長い目でご覧ください。
今回もありがとうございました。