シカが増えている原因解説してみた。「日本のシカ問題その2」
こんにちは。現役大学生兼猟師のエルクです。
今日は前回のつづき。
↓前回の
「シカ増えてるのはわかったけどなんでやねん!?」って疑問に答えていきます。
1.圧倒的繁殖力
もともとシカはオオカミが天敵です。更にオオカミめっちゃ強い上にシカは冬の積雪期に餓えたり寒かったりで結構死にます。
そこでシカがオオカミと冬の対抗するために編み出したのが「数産めば誰か生き残るやろ大作戦」
アホみたいに子供を産みます。
ほっとけば毎年1.2倍ずつ増えていきます。
1.2倍ってあんまぴんとこないかもわかりませんが、四年で二倍になる計算です。(人間がそーなったら人口恐ろしいことなります……)
この「一年あたり1.2倍」という繁殖力がシカの最大の特徴です。
余談ですが、このことから昔は「シカ=子宝の象徴」だったりしました。
2.オオカミ絶滅
毎年アホみたいに増えるシカですが、オオカミと冬の積雪、そして人間の狩猟であんまり増えることはありませんでした。
しかし明治時代に政府の後押しもありオオカミが絶滅しちゃいます。
オオカミの補食によってシカが増えすぎることはありませんでしたが、絶滅によって生態系のバランスが少しずつ狂い出していきます……
3.狩猟の変化
オオカミ絶滅しちゃいましたが人間の狩猟はここ100年盛んでした。逆にシカの絶滅が心配されたほど。
そんなわけで政府は戦後メスのシカの狩猟を禁止します。(メス保護しとけば少しづつ増えるでしょ的な考え)
しかしこれが結果的にあかん感じに。
ハンターがたくさんいた時代は良かったものの、1970年代からハンターは減少。(前回の記事参照)
ハンター減り、捕獲数が少しずつ減っちゃいまして1980年代後半ごろ(諸説あり)にシカ個体数とハンター人口のバランスがとうとう崩れちゃいました。
一旦天秤がシカに傾くと、シカ本来の繁殖力が目を覚まし、ガンガン増えまくっていったのです。
3.温暖化、少雪化(仮)
温暖化については原因も含めてまだまだ未知な部分も多いのであくまでも(仮)ぐらいでお考えください。
シカの個体数増加を妨げるのは冬の寒さとオオカミと狩猟です。
しかし日本でも最近では暖冬が多くなり、冬に野生で死ぬシカが少なくなっております。
これも数が減らない要因です。
因みに温暖化ってそもそもヒートアイランド現象じゃね?って意見もあり、なんとも言いがたいところ……
4.里山の減衰、過疎化
これはかなり有力です。
山中にある村や里山は過疎化、少子化の煽りを受けてかなり無くなっております。また或いは限界集落状態です。
このような状態では山の中にいた獣たちが昔は人を恐れて下りてこなかったものの、気軽に下りてこれるようになります。
またそういった場所にある、耕作放棄地の果樹等の資源がシカをおびき寄せているなんて説も。
朽ち果てた田舎の古民家の庭に柿とかよく植えられていますよね?あれも結構な誘因力になっているそう。
そんな感じで里山などでの人間活動の低下により、生息域が拡大しているのも原因の一つと言われております。
このようにいくつもの要因が複雑に絡み合って「シカの個体数爆発的増加&人間社会との軋轢」みたいになっております。
「オオカミを再導入しよう!!」なんて意見も学術レベルで話されているほどひどい状態ですが、あまり現実的とは言い難く…………
つぎからは「増えてるのとその原因もわかったから、どーすりゃええんじゃ!?」って疑問に答えていきます。
是非次回もお付き合い下さい。
今日もありがとうございました!
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