シカの利用可能性「日本のシカ問題シリーズ7」
こんにちは。現役大学生兼新米猟師のエルクです。
前回までは「シカが増えててやばくて狩猟が重要なんだけど捕獲された個体は捨てられているし、あれやこれやが障壁だよ。」って話でした。
今日は「シカって食べる以外にどんな利用ができるの?」って疑問に答えていく感じです。
ぜひお付き合いください。
↓↓前回までの↓↓
日本のシカ問題解説してみた。 - エルク研究員の解説してみた。
シカが増えている原因解説してみた。「日本のシカ問題その2」 - エルク研究員の解説してみた。
シカの狩猟情報解説してみた。「日本のシカ問題その3」 - エルク研究員の解説してみた。
日本の野生動物対策解説してみた。「日本のシカ問題その4」 - エルク研究員の解説してみた。
「捕獲したシカの行き先」解説してみた。「日本シカ問題シリーズ5」 - エルク研究員の解説してみた。
シカのジビエ利用のメリット「日本のシカ問題その6」 - エルク研究員の解説してみた。
それでは解説していきます。
1.幼角
シカは毎年角が生え変わります。
4月ごろに古い角が落ち、5月ごろから新しい角が生えてきます。
この生えたての角を「幼角」といいます。
幼角を乾燥させたものは漢方薬になり、精力剤、筋疲労回復、循環器系にいいんだとか。
2.乾角
幼角に対して成熟した角を「乾角」といいます。
固いわりに加工が極めて簡単という性質を持つことが分かり、象牙よりも利用しやすいため、現在利用に向けて研究が進んでいるそうです。
また、幼角には劣りますが漢方薬としても利用可能で、むくみや子宮内出血に効くとか。
ちなみに弥生時代や古墳時代には占いの道具として用いられていました。
3.革
牛、豚の皮に比べて加工は難しいものの、より柔らかく強いという性質を持ちます。
奈良の正倉院にある、1300年前の日本シカの皮は原型をいまだに保っているのだとか。
しかし国内自給率は1%以下でほとんどが中国産です。
4.骨
昔は装飾品や釣り具として使用されていたそうですが、現在はほとんど廃棄されています。
しかしながら、固く多孔質なため、人口の骨や歯など再生医療での活躍が期待されており、鳥のエサに混ぜると、卵の産卵猟や卵の硬度が増したのだとか。
これからに期待です。
いかがでしょうか?
シカはこのようにたくさんの利用法があるにも関わらずほとんどが捨てられています。
今すぐ実用化は難しいものの段階的な再生医療をはじめ、資源利用に期待したいところです。
今回もありがとうございました!