「ナナメの夕暮れ」が良かった。
こんにちわ。現役大学生兼新米猟師のエルクです。
先日、オードリー若林さんの書かれたナナメの夕暮れを読んだんですが、
めちゃくちゃ良かったので簡単に書評したいと思います……
「ナナメの夕暮れ」まとめ
「人見知りだけどプライドが高い、傷つきやすくて人の目が気になる、、、、」を極めていた若林さん。
相方をはじめとする周囲の「人生を楽しみうる楽観性やポジティブさ」を持った人々にあこがれを抱くものの、なかなかそうはなれない日々。
しかし逆にポジティブへの道をあきらめてネガティブを受け入れ、少しづつ社会の中で「自分探し」という名の自分が忌避していたものと向き合い始める。
ゴルフ、海外一人旅からスタバでグランデを頼むまで幅広く自分が忌避していたもの、少し馬鹿にしていたものと向き合う。
そうして気が付いた。
「はしゃいでいる他人を冷めた目で見ていると自分の冷めた目が自分に時間差で帰ってくる。そして自分が好きなことを楽しめなくなる。」
毎日少しづつ、肯定できるものを増やすことで、生きるのがちょっぴり楽になる。
そんな若林さんが自らの「自分探し」の軌跡を描く作品です。
「感想」
テレビではあまり苦しんでそうな若林さんですが、裏ではこんなにも日々苦しんでいた、、、ということにまずびっくり。
「人見知りだけどプライドが高い、傷つきやすくて人の目が気になる、、、、」というのは多かれ少なかれたぶん誰にでもあるんでしょうが、
人一倍自意識の強い若林さんはたぶん誰よりも自意識との向き合い方、逃れ方にエネルギーをそそいできたんだというのが分かります。
そして文章の一文一文字から、自意識との関わりの中で生じた若林さんの苦しさとかやさしさとか、そんなもろもろの感情がぐちゃぐちゃになってあふれ出てきます。
少しでも、1mmでも毎日に生きづらさを感じている人にはぜひおすすめしたい一作。
ちなみに余談ですが僕の大好きな小説家、村上龍を若林さんも大好きで大学の卒論のテーマも村上龍と聞いたことがあります。
村上龍の作品は「自意識(トラウマ)から逃れるためのなにか(他者、外部、SM、テロ、ドラッグ)」というのがテーマですが、
確かに若林さんは「自意識」に関して村上龍の影響が若干あるように思えます。
しかし、更に自意識の強い若林さんは「自意識」をだましだまし、逃れる術をひとつづつ身に着けている印象です。
パワフルでハードな村上龍と一見軟弱そうな若林さん。
一見対照的ですが「自意識との向き合い方、逃れ方」というのが二人とも根底にあって面白い。
村上龍のエッセイが好きな人にもおすすめかもっすね。
あと逆にこの本好きな人は村上龍おすすめかもっすね(笑)
ではでは。